いぢわる兄は同級生






「わっ‥‥!」




ぐいっとあたしを自分のほうへと引き寄せる水樹。



不安定な砂浜の上で、転びそうになったあたしはそのまま水樹の胸へと倒れこんだ。




「ごっ、ごめん‥!水樹が急に引っ張るから‥‥」





顔をあげて水樹を見上げると、水樹の眼差しは、真っ直ぐにあたしを見ていた。









「‥‥‥みず‥‥き?」





ドキン‥‥ドキン‥‥‥。




逸らすことのできないその視線に、また胸が高鳴りだす‥‥。




ドキン‥‥‥ドキン‥‥。







うるさいっ‥‥心臓‥っ。









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