いぢわる兄は同級生
高校に入学してすぐのあの夜の海辺で、あのキスで。
あたしは、初めて水樹への自分の気持ちに気付いた。
でも‥‥‥あの日から今まで、あたしと水樹の関係はなにも変わらない。
遠くへ行ってたパパとママも帰ってきて、家に二人きりというのもあまりなくなった。
それに、あたしたちはあくまで兄と妹であって、水樹は相変わらず結衣ちゃんと順調に付き合っている。
きっと、あの時のキスは‥‥‥いつもの気まぐれ。
それでも、気まぐれだとしても、受け入れてしまったあたしがいる。
だから‥‥水樹を責めることなんてあたしにはできない。
‥‥‥この気持ちを伝えて、結衣ちゃんと水樹の間に入ることなんてできない‥‥‥。
‥‥‥しちゃいけないんだ。