いぢわる兄は同級生






「じゃあ、有意義な夏休みを!!」




考え事をしてる間に、先生のその最後の一言で、高校生活初めての夏休みが始まった。









「もーもこっ!」



後ろの席の雅が、あたしの背中をつつく。




「ん〜?」



「なにボーッとしてんの!早く行くよっ」




「‥‥へ?」



雅の思い当たりのない言葉に首をひねる。





「もう、明日の合宿の買い出し行くって言ってたじゃん!」



「‥‥‥あっ、そっか!」






そういえば、明日から始まるバスケ部の夏合宿の買い出しを、前日の今日、マネージャーが行かなきゃいけないんだっけ。



今日は終業式ということで、部活も休みだし‥‥。



「桃子、ボーッとしてないで早く行くよ!」





どうやら、あたしたちの夏休みはまだまだ先のよう‥‥‥。









< 149 / 372 >

この作品をシェア

pagetop