いぢわる兄は同級生
「で‥‥‥なんで俺?」
「まぁ、いいじゃない。どうせ暇でしょ?」
日用品売り場や電気屋さん、スポーツセンターなどがくっついて、一つのお店になっている少し大きめのデパート。
いつもはかなりの人が混みあっているこの場所も、今日は平日ということで人数もまばら。
でも、合宿で必要なものはだいたいはここで揃う。
そんなデパートの入り口にいるあたしと雅と、雅にくっついてきた栄介くん。
‥‥‥‥と水樹。
「俺、忙しいんだけど」
「さぁ、早く入りましょ」
「‥‥‥‥‥」
荷物持ちとして、なぜか雅に無理矢理連れてこられた水樹は、かなり不機嫌そう。
そんな様子を無視して、雅は水樹を引っ張りながらずんずんとデパートの中へ足を踏み入れた。
その後ろを苦笑いでついていくあたしと、相変わらずお気楽な感じの栄介くん。
まだ買い出しをしてもいないのに‥‥‥このメンバーに、あたしの胸は不安で高鳴っていた‥‥。