いぢわる兄は同級生
しばらくしても、雅達が戻ってくる様子もないので、店内の隅にある小さなベンチに二人で腰かけた。
まだ食べきれてないソフトクリームを口にしていると、水樹がさっきから何回も携帯をいじっていることに気がついた。
そこで、また胸が苦しくなるようなことに勘づいてしまう。
「もしかして‥‥今日、結衣ちゃんとデートだった‥‥?」
あたしがゆっくりそう告げると、水樹の眉がピクッと動く。
「まぁな。お前らのせいでパーになったけど」
「‥‥‥っ」
やっぱり聞かなければ良かった。
傷つくことなんて、分かりきっていたのに。
それでも、もう遅かった。
水樹が好きなのは結衣ちゃん。
どうしようもならない現実に、また胸がきゅうっと苦しくなる。