いぢわる兄は同級生
その様子にビックリすると
「って、思ったけど。これでチャラにしてやる」
水樹はそう言って、あたしの持っている溶けかけたソフトクリームを、ペロッと舐めた。
少し近くなった顔に、ドキッとする。
「‥‥‥‥っ‥///」
「早く食わねぇと溶けるぞ、バカもー子」
さっきまであんなに切なかったのに、この男はそんな思いも簡単に消し去ってしまう。
どんなに水樹が結衣ちゃんを好きだって‥‥‥。
いくらあたしと水樹が兄妹だからって‥‥。
この想いを隠すことはできない。
好き‥‥‥。
この想いをねじ曲げることなんてできない。
「さてと、そろそろあのバカップル探しに行くか!」
もう、すっかりさっきまでの不機嫌な感じがなくなった水樹は、ポンッとあたしの頭の上に手を乗せて立ち上がる。
「‥‥‥うんっ」
嬉しくなったあたしは、思わず笑顔で頷いた。