いぢわる兄は同級生
「いないね、雅と栄介くん」
「んー、凄い勢いでどっか走ってったからな」
再び歩き始めて、雅達がいそうなところをブラブラしてみるけど、なかなか見つからない。
てか、この広いデパートの中でたった二人を見つけることのほうが難しいような‥‥。
「二階、行ってみるか」
「うん」
ちょうどエスカレーターの近くに来たので、二階まで行くことに。
その時。
「あっ、水樹!」
「うわっ!‥‥‥なんだよ急に」
エスカレーターに乗ろうとした水樹の制服を引っ張って、慌てて引き止める。
いきなりのことに水樹は驚いてる様子。
「見てみてっ!」
「?」
あたしが水樹を引き止めた理由。
それは、エスカレーターのすぐ隣の雑貨屋さんにあった。