いぢわる兄は同級生






ちょうど携帯につけるキーホルダーが欲しかったので、どれか一つだけ買うことにした。



たくさんある中から、どれにしようか迷いながらも夢中になっていると‥‥‥。






「あ‥‥‥‥」



思わず見つけて手に取ったのは、綺麗な青色のウサギ。



生意気そうな半月型の目に、イーッといぢわるそうに見せている白い歯。





なんか‥‥水樹に似てる(笑)。



なんて、隣にいる水樹には言えないんだけど‥‥‥本当にそう思ってしまった。




そう思うと、なんだかそのウサギに愛着がわいてきて‥‥。





「決めた、コレにする!」


持ち上げて水樹に見せると




「じゃあ、俺これ」



「へ‥‥水樹も買うの?」




水樹がプラプラとキーホルダーの鎖の所を持ち上げて、あたしに見せたウサギは。






「ぶ‥‥‥ぶさいく‥」



淡いピンク色のウサギで、色は可愛いんだけど‥‥‥。



お世辞でも可愛いとはいえない。








< 157 / 372 >

この作品をシェア

pagetop