いぢわる兄は同級生






「てか、こんなに大量のニンジン切れるかっ!」



「ぎゃあっ、雅!ニンジン投げないでっ」





いくら簡単なカレーとはいえ、数十人分となると、材料を切るのさえも一苦労‥‥。



切っても切ってもなくならないニンジンに八つ当たりし始める雅と、ずっと涙目でタマネギと格闘するあたし。





マネージャーって、結構大変なのかもしれないと、改めて思った。









「みーぃちゃんっ、桃子ちゃーんっ♪」




しばらくたくさんの野菜たちと戦う(?)あたしたちのもとに現れたのは、お風呂から上がったらしい栄介くん。



と、栄介くんに引っ張られている水樹。





「あ、栄介!ちょうどいいや。手伝って」




そんな姿を見た雅は、ラッキーという感じで自分がやっていた仕事を栄介くんにも手伝わせる。




マネージャーの仕事なのに‥‥と言おうとしたが、このままじゃ時間通りに作り終わる気もしないので、黙ってあたしもまたまな板に向かう。










< 161 / 372 >

この作品をシェア

pagetop