いぢわる兄は同級生
「キャプテン、顧問がキャプテンのこと呼んでます」
「‥‥‥‥あ」
開いた扉の向こうに立っているのは、水樹の姿だった。
「まじで!そういえばなんかプリント渡すとか言ってたっけ‥‥」
思い出したように立ち上がった先輩は、今まで座っていた椅子を元の場所へ戻す。
「サンキューな水樹。桃子ちゃんも、傷口あんまり触らないようにね」
「は、はい‥‥‥」
大地先輩は、あたしと水樹に言葉を残して保健室から出ていってしまった。
「‥‥‥‥‥」
その場から動かずに、あたしをじっと見る水樹は、何か言いたげに見えた。
さっきの大地先輩との話‥‥‥聞こえてなかったよね‥‥‥?