いぢわる兄は同級生
「水樹?‥‥は、離してよっ」
「やだね」
「なにそれ‥‥っ」
なんだかいつもの水樹じゃない‥‥。
後ろにある壁に手をついて、あたしを見下ろす水樹の表情は、少し冷たい。
「もー子さぁ‥‥‥大地先輩のこと好きなの?」
「えっ?‥‥な、なに急に‥‥っ
「いいから答えて」
「‥‥‥ふ、普通に‥‥おんなじバスケ部として、キャプテンとしては‥‥好き‥‥だよ」
たったさっき、大地先輩に告白された。
大地先輩の気持ちを知ってしまった。
だけど‥‥‥あたしは、先輩のことを‥‥おんなじ気持ちで好きにはなれない‥‥。