いぢわる兄は同級生
「‥‥‥もー子‥‥」
水樹が、あたしの頬にそっと手を伸ばす。
あたしの大好きな、暖かくて、優しくて、何よりも安心することができる‥‥水樹の手。
それでもあたしは‥‥‥もう、この手を受け入れてはいけない‥‥。
「‥‥水樹なんて
大嫌い‥‥‥」
精一杯の強がりで。
結衣ちゃんのために、あたしは水樹を傷つけた。
それでもいい‥‥‥。
これが水樹が幸せになるための糧となるなら。
あたしは喜んで、水樹を傷つけてでも身を引くよ。