いぢわる兄は同級生







「そろそろ行かなきゃ‥‥」




いつまでもここにいるわけにはいかない。



まだマネージャーの仕事だって終わってないのに。





気持ちを切り換えるように、一回大きな深呼吸をして、トイレから出る。



手洗い場の鏡で顔を確認するとその姿に苦笑を浮かべた。


泣きすぎて充血した目に、真っ赤な鼻。



不細工すぎる‥‥‥。







どうして大地先輩はこんなあたしなんか‥‥‥。



「そういえば‥‥あたし、大地先輩に告白されたんだった‥‥」




思わずハッとして、さっきの出来事を思い返す。



水樹のことで、すっかり忘れてたけど‥‥どどど、どうしよう‥‥っ。




今日はまだ合宿一日目だっていうのに‥‥‥これからどんな顔して話せばいんだろ‥‥。




てゆうか、あたし大地先輩の告白に返事すらしてないし‥‥。


というか、別に『桃子ちゃんは?』とかって聞かれたわけでもないのだから、返事はしなくてもいいのだろうか‥‥。








< 189 / 372 >

この作品をシェア

pagetop