いぢわる兄は同級生
「み、水樹‥‥?」
「‥‥‥‥‥ん?」
「なんか‥‥怒ってる?」
思いきって、顔をあげて聞いてみる。
「‥‥なんで?」
書く手を止めて、あたしと同じく顔をあげる水樹。
「いや、なんかさっきからずっと黙ってるし‥‥‥」
「別にもー子、俺を怒らせるようなことしてないだろ?」
「して‥‥ないけど」
じゃあ‥‥‥朝の"キス"は?
なんて‥‥‥聞けないよね。
あたしが戸惑っていると、水樹はあごに手をついて上目遣いであたしを見た。
開いてる窓から春風が吹いて、水樹の髪をサラッと揺らす。
ダメだ‥‥聞くんだ‥‥‥。
聞かなきゃ‥‥‥。
「‥‥なんでキスしたの?」