いぢわる兄は同級生
いろんなことがごちゃごちゃになって、今にもパンクしてしまいそうな頭で一生懸命考えるが‥‥答えは全然出てこなかった。
あたしはまたその場に力なくしゃがみこむ。
まだ、皆のところに戻りたくないな‥‥。
「‥‥‥桃子ちゃん?」
ふと、廊下の向こうから名前を呼ばれた気がした。
どこか聞き覚えのある高くて可愛い声に、胸がドクンと高なる。
「‥‥‥‥‥ぁ‥‥‥」
なぜか、振り返って彼女を見たときあたしは力弱い声しか出せなくて‥‥。
「‥‥‥結衣‥ちゃん‥」
あたしを見て嬉しそうな顔で笑う彼女を見ると、胸がギュッと締め付けられる思いだった。
どうしてここにいるの‥‥?
正直、水樹より、大地先輩より今一番会っちゃいけないような気がする。
今のあたしには、彼女の前で平静を装うことすら難しかった。