いぢわる兄は同級生







さっきまでは、綺麗な景色を見て来て良かったかもなんて思っていたくせに、今はその真逆。



こんな目に合うなら、雅の言葉に甘えてやめておけば良かった‥‥なんて、今さらどうしようもない後悔をする。






「‥‥‥‥ぅ‥‥‥ふぇ」





怖くて、寂しくて、どうしようもなくて‥‥。



我慢してた涙が一気に出てくる。





こういう時こそ、しっかりしなきゃいけないのに‥‥。



いつでもあたしは泣いてばっかり。






大地先輩‥‥雅‥‥栄介くん‥‥‥。




‥‥‥‥‥水樹‥‥‥。





なぜだか急にみんなの顔が頭に浮かんできて‥‥‥あたしの気持ちはさらに寂しさを増す。












‥‥‥トントン。











「ヒィッ‥‥!」




うずくまって泣いていると、後ろから誰かに叩かれた気がして思わずあたしは悲鳴をあげた。









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