いぢわる兄は同級生
だっ‥‥誰!?
も、もしかして‥‥
「おば‥‥っ、おば、おば‥‥っ!」
声にならない言葉を発しながら、あたしはさらに丸くなって身を守ろうとする。
「ご、ごめんなさいっ!ごめんなさいっ!あたしなんて食べてもおいしくないですぅ‥‥っ!!あわわわわっ‥‥!」
「あら、おばけが人間を食べるなんて聞いたことないわ」
「そ、そういえば‥‥‥じゃ、じゃあっ、魔界に連れていくとか!?そっ、それもイヤですぅっ!」
「おほほ、賑やかな子ねぇ」
そう言って上品な笑いをこばすおばけ‥‥‥おばけ?
あっ‥‥あたっ、あたしっ、おばけと会話してる!?
おかしいと思って、そーっと後ろを振り返ると‥‥‥。
「‥‥‥だ、誰?」
うふふと笑いながらそこにいたのは、見たことない女の人。
年齢は、五十代くらいかな‥‥。
あたしより背が低くて少しぽっちゃりしている優しそうな顔の女の人。
着ている服が少し昭和な感じはするが、そこはあまり気にならなかった。