いぢわる兄は同級生
そう言ったあたしは、またシュンと落ち込んだ。
そんな様子を見た彼女は、うふふと奥ゆかしそうに笑う。
「どこに戻りたいの?」
「‥‥‥た、体育館‥‥です」
体育館ねぇ‥‥そう一言呟くと、彼女はあたしの両手を引いて、よいしょと立ち上がらせた。
「分かったわ。わたしと一緒に行きましょう」
そう言ってニコリと笑う。
「ほっ、本当ですか‥‥?」
「えぇ、覚えてたら‥‥だけどね」
「覚えてたら‥‥?」
いまいち意味のわからない言葉にあたしは首を傾げるが、あまり気にとめず。
それよりも、ようやく戻れることに喜びを感じていた。
「さぁ、行きましょうか」
「‥‥はいっ」