いぢわる兄は同級生
▼夏の終わり、なくした宝物
「あ‥‥あつい‥‥‥‥」
無事(?)バスケ部の夏合宿も終了し、登校日やその後の練習なども過ぎて、季節は夏の終わりに近づいていた。
お盆に入って、バスケ部の活動もしばらくお休み。
そんな中あたしはというと‥‥‥。
「ぅう〜‥‥あついよー、ひまだよー‥‥」
部屋のフローリングに張りつくように寝転がっていた。
夏の中間から終わりにかける暑さは異常なもので、クーラーのないあたしの部屋では、少し冷たい床にへばりついて気を紛らわせるしかなく。
どこかクーラーのきいてるところに遊びに行こうにも、お盆休みはみんな遠出したり忙しかったりで‥‥‥全然遊べないし‥‥。
それに比べて、特に出掛けたりと用事のないあたしはかなり暇をもて余していた。
「そうだ‥‥!」
しばらくしてあることを思いついたあたしは、勢いよく立ち上がって部屋を出る。