いぢわる兄は同級生
「「‥‥‥あ‥‥」」
あたしがドアノブに手をかける寸前で開いた扉。
その向こうに立っていたのは‥‥‥リビングに来たらしい水樹だった。
実はあの夏合宿以来、全く話さないというわけではないが、やっぱり水樹とはぎこちない関係が続いていて‥‥‥。
運悪く鉢合わせになってしまったことに少し戸惑う。
な、何か話したほうがいいのかな‥‥。
いや、でもなに話していいか分かんないし‥‥。
プチパニックに陥りながらも、あーだこーだ考えていると、不思議そうにあたしを見ている水樹が口を開く。
「お、アイス」
そう言うと水樹の視線は、あたしの右手に持っているアイスバーに。
「え‥‥?あ、うん‥‥、冷凍室にあるよ‥っ」
まさか水樹から話しかけてくるなんて思ってなかったあたしは、焦りながらもチラリと冷蔵庫を見る。