いぢわる兄は同級生
「‥‥‥?」
だけど、水樹はなぜか一向にそこから動こうとしなくて‥‥。
どうしたのかなと、首を傾けて水樹を見ていると‥‥‥。
「もーらい」
「‥‥へ?」
ぱくっ。
一瞬、水樹の顔が近付いてきて‥‥。
気付くと、あたしの右手に持っているアイスを頬張って口にいれてる水樹の姿。
「‥‥‥ななななっ////」
ビックリして手を離すと、そのままアイスをくわえて頭をあげる。
フワッと水樹の髪がなびくと、一瞬いい香りがしてドキッとした。
シャリッとアイスをかじると、いつものいぢわるな笑顔であたしを見た。
「ボーッとしてるからだ、バーカ」
「‥‥‥‥っ////」
最後にそう言い残すと、水樹はそのままリビングを出ていってしまった。