いぢわる兄は同級生
「た、ただいまぁ‥‥」
「あー、疲れた」
ようやく家に到着して、安堵の息を吐くあたしと、荷物を玄関に置く水樹。
そして、自然に離れる繋いだ手。
今までずっと暖かかった右手が、急に寂しくなって少し違和感を感じた。
「あらあら、おかえり。水樹、桃子。ずいぶんと荷物が多かったのね〜」
あたしたちの声を聞いて、リビングの方から顔を出したのはママだった。
あたしとは血の繋がっていない義母だけれど、とっても優しくて、水樹と同じだけあたしに愛情をくれる大好きなママ。
だからあたしも、今では本当のお母さんのようにしたっている。