いぢわる兄は同級生
「俺、何かした‥‥‥?」
ぶたれた頬っぺたをポリポリとかきながら、不思議そうに栄介くんは雅を見る。
眉間にシワを寄せて、不機嫌そうな雅はそのまま栄介くんを睨む。
「‥‥‥家族との時間省いてまであたしに会いに来てなんて、言ってない」
「‥‥‥みぃちゃん」
「せっかくの家族旅行だったんでしょ?あたしなんかのために、帰ってきてんじゃないわよ」
「だって、みぃちゃんに会いたかったし‥‥」
「そんなの頼んでない‥‥‥」
せっかく雅のために帰ってきてくれた栄介くんを、雅は頑なに嫌がる。
でもそれは、別に雅のわがままでも‥‥栄介くんが嫌いとかじゃなく‥‥‥。