いぢわる兄は同級生
なんだかんだやっているうちに日は暮れてしまい、周りはもう暗くなっていた。
そして、もう少しで花火の打ち上げの時間。
「じゃあ、とりあえずみんなで座って見れるとこ探そうよ」
すっかりいつも通りに戻った雅は、そう言いながら辺りを見回す。
ていうか‥‥‥。
「あたし‥‥邪魔じゃない?」
自分を指差して、あははと苦笑する。
だって、栄介くんが来たとなると‥‥‥あたしはただの空気が読めない人になるわけで‥‥。
「何言ってんの!そんなことないし、むしろ邪魔は栄介よ」
「えー、みぃちゃんひどくない?まぁ、でも別に、最初はみぃちゃんと桃子ちゃんで約束してたところに、勝手に俺が来ただけだし‥‥。むしろなんかごめんねー」
「え、いや‥‥‥」
改めて反省したように謝る栄介くんを見ると、雅とのデートを邪魔したくないと思うし‥‥。
だからといって、気をつかって二人から離れるのも、罪悪感を持たせてしまう気がする‥‥。