いぢわる兄は同級生






「ダメダメ!桃子が一人なんて絶対迷子になる!」



雅のその一言で、あたしは結局雅達と一緒にいることに‥‥‥。



まぁ‥‥‥そうなんないとは限らないけど‥‥あたし、一応高校生なんだけどなぁ‥‥‥。




そう考えてちょっといじけながらも、前を歩く雅と栄介くんの後をついていく。





その時、バッグの中の携帯が鳴った気がして取り出すと、メールがきていた。





‥‥なんだ、サイトからか。




それはただのメルマガで、あたしは何も気にせずに携帯を閉じると、そのままバッグへ閉まった。





「あ、ねぇあそこなら座って見えそうじゃない?」



「よし、行ってみよっか?」



「桃子、行くよ!」





あたしがそんなことをしている間に、どうやら花火が見える場所を見つけた雅が振り返る。



「あ、うん」



「大丈夫?ごめん、ちょっと歩くの早かった?」




携帯をいじっていてもたもたしていたあたしを心配した雅が、足を止める。





「ううん、ちょっとメール見てただけだから。大丈夫だよ」



あたしがそう言うと、雅と栄介くんは安心したように道の外れへと歩いていく。







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