いぢわる兄は同級生
「意外とキレイなとこじゃん!桃子〜、おいで!ここ座れるよ!」
「あ、ホントだ〜」
なんとか花火が見える場所を確保したあたしたちは、近くにあった大きな岩に腰かけた。
近くには大きな木や茂みもあったけど、なんとかその間からは空が大きく見える。
いい場所だけど、少し屋台などから離れてしまうため、近くに座っている人の数はまばらだった。
「ん〜、楽しみ!始まるまで買ったもの食べようよ」
「あ、俺も俺も!」
花火が始まってから屋台に物を買いに行くのは、後々面倒になると思い、あらかじめたくさん買ってきたイカ焼きや焼きそば、イチゴ飴などを空いているスペースに広げる。
「花火大会とかで売ってる屋台のものって、なぜかスゴい美味しそうに見えるよね〜」
イカ焼きを頬張りながらそう言う雅に、確かに‥‥とあたしと栄介くんは頷く。
とりあえず、あたしは広げてあったパックから、たこ焼きをひとつ串で差して口にいれた。
「お‥‥美味しい‥‥‥」
まさに、夏の味って感じだなぁ‥‥。
そう思いながらも広い空を見上げていると‥‥‥。