いぢわる兄は同級生







ヒュ────‥‥‥





ドンッ!





「「「わあぁ!」」」





一瞬にして空に大きな花火が咲き、みんなの歓声が重なる。




もう始まる時間だったんだ‥‥‥。




そう思いながらも余韻の残る空を見上げていると、目を逸らす間もなくすぐに二発目の花火がうちあがった。





ヒュ───‥‥‥



ドドンッ!





大きな花火が咲くたびに、ドンッという音が胸に響いて、その度に鮮やかな花火が目にやきつく。







「あ、写メ撮ろ!」




隣で感激していた雅が、がさごそとバッグの中を手で探って、携帯を取り出す。




「あたしも撮る〜!」




あたしもこの光景をちゃんと形として残しておきたい‥‥‥。


そう思ったあたしは、雅の様子を見て自分もバッグから携帯を取り出す。




設定をカメラにしてそれを自分の真上に掲げる。




そして、次のシャッターチャンスを待っていると‥‥‥。









「あれ‥‥‥‥?」






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