いぢわる兄は同級生
▽好き、好きなの
「‥‥‥はぁ‥‥はぁ‥‥」
‥‥‥どうしよう‥‥。
息切れがしてしまうほど急いで、さっきの場所に来てみたけれど‥‥‥人も多いし、暗いしで、結局キーホルダーは見つからなかった‥‥‥。
もうすでに、誰かに拾われてしまったのか‥‥。
それとも、もっと違う場所でなんかの拍子に落としてしまったのか‥‥‥。
どっちにしろ、心当たりの場所にないということは、もう見つかる可能性は充分に低いということで‥‥‥。
キーホルダーを探しながらもあたしはガックリと肩を落とす。
でも、ここであきらめられるようなものじゃないから‥‥‥。
まだ、まだ頑張って探そう。
きっと見つかるはず‥‥‥。
自分にそう言い聞かせたあたしは、そのまままた、目を凝らして足元を見ながら道を歩いていった。