いぢわる兄は同級生
「桃子ちゃんは‥‥‥こんなところで何してたの?」
「えと‥‥‥ちょっと、探し物してて‥‥」
「探し物?」
「‥‥‥う、うん」
少し気まずさを感じながらも、顔を上げて結衣ちゃんを見たあたしは、あることに気付いて‥‥‥思わず言葉を失った。
「探し物って‥‥‥これのこと?」
「‥‥‥‥‥っ!」
笑顔で右手を前に差し出した結衣ちゃん。
その手に握られていたのは‥‥‥あたしの探しているウサギのキーホルダー‥‥‥。
間違いない。
絶対、あたしのだ‥‥‥。