いぢわる兄は同級生
「な、なんで‥‥結衣ちゃんが‥‥?」
「ん?そこに落ちてたの。落とした人がもしかしたら、探してるかもと思って、今から運営所のほうに届けにいこうと思ってたんだけど‥‥‥」
そう言った結衣ちゃんは、人差し指で橋の隅のほうを指差す。
やっぱり、ここに落ちてたんだ‥‥‥。
何はともあれ、ようやくキーホルダーが見つかったことに、あたしはホッとして‥‥‥。
結衣ちゃんからキーホルダーを受け取ろうと手を差し出す。
だけど‥‥‥。
「でも‥‥‥やっぱり桃子ちゃんのだったんだ。なら‥‥‥別にいいや」
「え‥‥‥?」
いつもニコニコしている可愛い顔から、一瞬。
笑いが消えて‥‥‥‥。
真顔になった結衣ちゃんは‥‥‥‥そのままキーホルダーを、橋の下へと投げ捨てた。