いぢわる兄は同級生
そして、冷たい表情であたしを見る結衣ちゃんの口がゆっくり開く‥‥‥。
「あのキーホルダー‥‥水樹くんとおそろいだよね?」
「ッ‥‥!」
結衣ちゃんは知っていたんだ‥‥‥。
色や表情が違うとはいえ、確かにあのキーホルダーは同じ造りのためおそろいにも見える‥‥‥。
「それに‥‥あたしの勘違いかな?桃子ちゃんのほうのキーホルダーが、水樹くんに似てると思うの」
「‥‥‥‥‥」
怒るでもない、哀しいでもない。
そんな無表情であたしを見る結衣ちゃんが怖くて、あたしは固まる。
「ねぇ‥‥今さら言い訳できないよ?」
そして‥‥結衣ちゃんは知っている‥‥‥。
「兄妹のくせに、好きだなんて変だよ?」
あたしが‥‥水樹を好きだということを‥‥‥。