いぢわる兄は同級生
「ていうことで、ママ達しばらくあっちの方に行かなきゃいけなくなったから」
「‥‥‥嘘ぉ‥‥」
リビングのダイニングテーブルに、家族四人で並んで座っていて。
少し顔を歪めているパパとママと、興味がなさそうな顔をしている水樹、その横で青ざめているあたし。
「けっこう離れたところだからね、桃子と水樹も連れていってもいいんだけど‥‥入学したばっかりで長いこと休むわけには、いかないだろう?」
「そ、そうだけど‥‥」
実は、パパのお兄さん、あたしにとってのおじさんが亡くなったらしく‥‥結婚もしていなくて身寄りのいないおじさんの葬儀を、パパ達がやらなければいけないらしい。
「しばらくって‥‥何日くらい‥?」
「そうねぇ‥‥遺品の整理とか、色々あるし‥‥落ち着くまで二週間くらいかしら」
「二週間‥‥‥」
それに、おじさんはあたしたちの住んでるところから、かなり離れているところに住んでいるため、ママ達は二週間の間、あっちのほうへ泊まるらしく‥‥。