いぢわる兄は同級生
「おはよ〜桃子、上原兄」
「‥‥‥その呼び名なんとかなんねぇ?」
まだ少しズキズキと痛む頭の押さえながらも、あたしと水樹は一学期ぶりの教室へ入る。
そこでニコニコしながら待っていたのは、相変わらず水樹のことを"上原兄"と呼ぶ雅の姿。
「あ、そっか。もう兄妹じゃないんだっけ?」
「‥‥‥っ///みっ、雅‥‥!」
「あはは、桃子ったら顔真っ赤〜」
‥‥‥誰のせいだと思ってるんだろう。
彼女の笑顔がニコニコからニヤニヤに変わったのは‥‥‥。
雅はすでにあたしと水樹とのことを知っているからだ。
さらにもう一人‥‥‥‥。