いぢわる兄は同級生





パタン、と閉まった扉を確認してから、あたしは大きなため息をつく。




「また‥‥‥聞けなかった」



昨日も一昨日も、本当はいちばん聞きたかった。






"結衣ちゃん、どうだった?"




って。




今日こそは!‥‥って、思ってたんだけどな。



水樹からは、全然話してくれないし。



結衣ちゃんに納得してもらうには、少し時間がかかるのかもしれない‥‥。




そう思いながら、あたしは水樹の置いてったクッキー缶に、また手を伸ばすのだった。






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