いぢわる兄は同級生






玄関に着いて靴を履き替える。


そして、教室に向かおうとした時。




「っ‥‥‥!」




誰かに後ろからグイッと引っ張られる感じがして、振り向こうとする。




「まだ動かないで」



「‥‥‥え」



後ろからそう声が聞こえて言われた通り、黙ったままその場で立ち止まる。




すると、後ろでスーッと髪にくしが通る感覚。



そういえば、走ってきたから髪ボサボサのままだったっけ。




一体誰なのかも分からずに、ドキドキしていると、しばらくしてから「もういいよ」と言われて振り向いてみる。








「ゆ‥‥いちゃん?」



「‥‥‥‥‥」






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