いぢわる兄は同級生






そこに立っているのは、手にくしを持って立っている結衣ちゃんだった。



鞄を持っているところを見ると、彼女も今来たばかりらしい。




「えっと‥‥‥」




何を言ったらいいのか分からずに、なんとなく癖で髪を触ってみると、結衣ちゃんのおかげでサラサラになっていた。



「あ、ありがと‥‥」



「別に」




お礼を言うと、そっけなく顔を反らされて思わず苦笑いを浮かべる。




「‥‥ていうか、もうちょっと見た目に気使ったら?そんなボサボサな髪でよく学校来れるね」



「あ、はは‥‥。そうだよね、結衣ちゃんはいつも完璧だもんね」



ふわふわにセットされている綺麗な髪も、女の子らしいピンクのカーディガンも、ぱっちりした二重の丸い瞳も。



本当に、可愛いな‥‥‥。






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