いぢわる兄は同級生






「あたし、水樹くんよりかっこよくて優しい人、見つけるんだから」



「‥‥‥うん」



「その時は、絶対譲らないんだからね」



「‥‥‥うん」



「あたし、桃子ちゃんなんて嫌いだからね」



「‥‥うん、でも‥‥‥これからもあたしたち、友達だよね?」




「‥‥‥たまになら、話してあげてもいいよ」




「‥‥‥ふふ、やった」




少し拗ねた表情をしながらそっぽを向いた結衣ちゃん。




今すぐには、無理でも。




今度は、裏表のない結衣ちゃんと、仲良くなれたらな。







そう思いながら、校舎に入っていく結衣ちゃんの後ろ姿に、あたしは口元を緩めた。






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