いぢわる兄は同級生







「なんだよ、嘘つきって」



「へへ、なんでもなーい」



「変な奴」




水樹の長くて細長い指が、あたしの髪をくしゃくしゃと撫でる。



「バ、バカ‥‥やめてよ。結衣ちゃんに怒られるっ」



「なんだよ、それ」



「だらしない格好してたら、水樹に似合わないから怒られちゃうの!」



「ぷっ、そうなんだ」





今度は、自分でぐしゃぐしゃにした髪を整えるように、指ですく。




後ろから抱き締められてるから、水樹の表情は分からないけど‥‥耳の近くに顔があるのか、時折水樹の息が耳にかかってくすぐったい。





「どんなもー子でも、俺はもー子の全部が好きだよ」



「ッ/////」







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