いぢわる兄は同級生





「んー、栄介。結構チャラく見えるでしょ?」



「う、うん‥‥」



雅には悪いけど、なんか話してみても女の子慣れしてるっていうか‥‥。



「あぁ見えて意外と一途なのよ」


そう言ってへへっと笑った雅は、なんだかとても女の子っぽくて可愛らしいと思った。



「そうなんだ‥‥二人は、中学から一緒?



「うん、中二の時に栄介が転校して来たのよね。それで、仲良くなって、中三の春から付き合い始めたの」



「へぇ〜‥‥なんか、さっきの雅の態度があまりにもそっけなかったから、まさか彼氏だとは思わなかったなぁ」



あたしが不思議な顔で言うと



「あたしさ、あんまりベタベタしたの好きじゃないんだ。でも、栄介はこういうあたしの性格わかったうえで付き合ってくれてるし。だったら、あたしも素でいようって思ってね」




「ほぇー‥‥いいなぁ。なんかそうゆうの、憧れる」




「そう?でも、周りの子から見たら、きっと桃子も憧れられてるだろうね」




意味の分からないことを言う雅。


その視線が教室の入り口に送られていることに気付いて、あたしもその方向を見る。








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