いぢわる兄は同級生






「あ‥‥‥」




そこには、たくさんの女の子に囲まれている水樹の姿。



中学の時も結構モテていた水樹だけど‥‥高校生になって、少し大人っぽくなったからかな?


今ではかなりモテるようになった。




「あらら、先輩もいるし。モテモテだねお兄ちゃん」



「‥‥‥あたしには関係ないし‥‥」




なんか分かんないけど、その光景を見た途端ちょっとだけ胸がチクッとした感じがして‥‥。



あたしはプイッと視線をそらした。




「ふふっ、桃子ってホントにおもしろいね」



なぜか笑っている雅。



「ちょっ、なに笑ってるのーっ」


「いや、素直じゃないなって思ってね」



「え?」



「早く自分の気持ち、気づけるといーわね」




なんて、意味不明な言葉まで。


雅はたまに難しいこと言うから、結局あたしはわからないまま。




「はい、みんな席につけー!!」





高校生になって初めての授業がスタートしてしまった。






< 38 / 372 >

この作品をシェア

pagetop