いぢわる兄は同級生
「そこに、уが代入されるからこの数式は、こっちの公式に当てはめて‥‥‥」
窓から入ってくる、春の風が心地いい。
なんか、ぽかぽかしてて暖かいし‥‥。
どうしてこんなに数学の時間って‥‥眠くなっちゃうんだろう‥‥。
「ふぁ〜‥‥‥」
べしっ。
「いたっ!」
誰かに頭を叩かれて、授業中にも関わらず大きい声を出してしまったあたし。
「ん?なんだ、上原桃子」
教科書から、あたしに視線を写す数学担任。
一緒に、みんなの視線もあたしへと注がれる。
は、はずかしいっ‥‥///
「なんでも‥‥ないです‥」
小さな声でそう言うと
「真面目に授業受けないと補習だからな。覚悟しとけ」
「っえ!そんなぁ‥‥‥」
あはははっと、クラスで笑いが巻き起こるけど‥‥あたしにとっては、笑い事じゃないよぉ‥。