いぢわる兄は同級生
ていうか‥‥もとはと言えば、全部コイツのせいだっ‥‥。
「水樹‥‥っ」
小さな声で、隣の席の水樹を呼ぶ。
窓側を眺めていた水樹は、頬杖をついたまま顔だけこちらに向けた。
その仕草が、ちょっとかっこよくて‥‥不覚にもまたドキッとしてしまった。
「なんだよもー子」
「なんだよじゃないしっ!叩いたの水樹でしょっ」
黒板に板書している先生の様子を伺いながらも、水樹に怒鳴る。
「あくびしてるマヌケが悪い」
と言った水樹は、あたしにべーと舌を出してまた窓側の方を向いてしまった。
「なっ‥‥‥!」
ムカつくーっ!