いぢわる兄は同級生





その日の夜。



トントン。


あたしの隣の部屋にある、水樹の部屋のドアをノックする。


「んー?」



「水樹、夜ご飯できたけど‥‥部屋で食べる?持ってこようか?」


ドアの向こうで喋ると、カチャッと部屋のドアがでてきて中から水樹が出てくる。



「ん、片付けめんどいし、下で食べる。もー子も下で食え」




「う、うん」




そう言われると頷くしかないあたし。



階段を降りながら黄色のエプロンをはずす。



リビングにつくと、テーブルに並べられたご飯を見て



「もー子、料理できたんだ。てか、食える?」


と、いぢわるな笑みで座る水樹。



「なっ‥!料理くらい頑張ればできるし!ちゃんと食べれるもんっ」



「ん、うまいじゃん」



って、もう食べてるし‥‥!








< 44 / 372 >

この作品をシェア

pagetop