いぢわる兄は同級生
「好きです!」
「‥‥‥‥‥‥‥‥あ」
2階の教室へ向かうため、階段をのぼる。
今日は、たまたまその階段が混雑していたので、人気の少ないいつもと違う階段を選んだ。
それが間違いだったかな‥‥。
「おい、覗きか。いい趣味してんな」
「ちっ、ちがうし!たまたまだもん!」
偶然にも、水樹の告白現場‥‥水樹が女の子に告白されている現場に遭遇してしまった。
雅はあたしの隣でニヤニヤしてるし‥‥‥相手の女の子は、顔を真っ赤にしてしまってる。
あたしたち‥‥完全にお邪魔だよね‥‥‥。
「みっ、雅‥‥やっぱりあっちの階段から行こうよ‥‥」
「そうね。上原兄、ホームルームには間に合うように来るのよ?」
と、意味ありげな笑いを浮かべた雅を引き連れて、あたしは足早にその場を去った。