いぢわる兄は同級生






「好きです!」




「‥‥‥‥‥‥‥‥あ」





2階の教室へ向かうため、階段をのぼる。



今日は、たまたまその階段が混雑していたので、人気の少ないいつもと違う階段を選んだ。




それが間違いだったかな‥‥。




「おい、覗きか。いい趣味してんな」


「ちっ、ちがうし!たまたまだもん!」






偶然にも、水樹の告白現場‥‥水樹が女の子に告白されている現場に遭遇してしまった。




雅はあたしの隣でニヤニヤしてるし‥‥‥相手の女の子は、顔を真っ赤にしてしまってる。





あたしたち‥‥完全にお邪魔だよね‥‥‥。






「みっ、雅‥‥やっぱりあっちの階段から行こうよ‥‥」



「そうね。上原兄、ホームルームには間に合うように来るのよ?」



と、意味ありげな笑いを浮かべた雅を引き連れて、あたしは足早にその場を去った。







< 54 / 372 >

この作品をシェア

pagetop