いぢわる兄は同級生
教室に着くと、あたしと雅のところへ少ししょげている様子の栄介くんがやって来た。
「知らない女の子に、水樹くん連れ去られたぁ‥‥」
さっきの告白していた女の子のことだろう。
「連れ去られたって‥‥あんたのでもないからね?桃子のものだから」
「え、そうなの?」
目を丸くしてあたしを見る栄介くん。
「ちっ、ちがうし‥‥!雅、なに言ってるの!?」
なぜか雅は、まだあたしと水樹の関係を勘違いしてるようで‥‥。
「ふふ、まぁ、人の恋沙汰に口出しするもんじゃないしね。ほら、来たわよ」
また意味の分からない言葉を言う雅。
その視線の先には‥‥‥。
「あっ、おかえり〜♪」
あくびをしながら教室に入ってきた水樹。