いぢわる兄は同級生






「んふふ、桃子と友達になれて良かったな」



ようやく笑いがおさまったらしい雅は、笑顔でそう言った。




「あたしも!」



「ちょっと"バカ"だけどね?」



「一言余計だからっ!」



「あははっ、冗談よ♪早く教室帰ろっ」



立ち上がった雅は、そう言って座っているあたしに手を差し伸べた。



その手をギュッと受け取って、あたしも立ち上がる。





こうやって高校で雅と仲良くなれたのも、なにかの縁だよね。



これから、夏休みとか、文化祭とか、いっぱい一緒に思い出作っていきたいなぁ。




「へへっ」


「何にやけてるの、きもいよ」


「‥‥‥‥‥」





たまにちょっと毒舌だけど‥‥そんな雅が改めて好きだと思った。







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