いぢわる兄は同級生
「あ、やってるよ雅!」
「ほんと?じゃあ、早く入ろうよ」
放課後、体育館の入り口からピョコッと顔を出して中を覗くと、すでにバスケ部が活動していた。
「桃子?行こうよ」
「う‥‥うん」
さっそく中に入ろうとする雅。
その場から動こうとしないあたしに、首を傾げる。
「な、なんか‥‥緊張する‥」
あたし、超人見知りだし‥‥ドジだし‥‥や、やっぱり邪魔じゃないかな‥‥。
そう思っていると、
「見学に来ただけなのに、なんで緊張するのよ」
と言ってあきれた顔でポンッとあたしの背中を押した雅。
「おわっ‥‥‥ちょっ‥‥」
その拍子で入り口の段差につまづいたあたし。
こっ‥‥‥転ぶ‥‥っ!
覚悟を決めて目をつぶった時───‥‥
「あ‥‥‥ありゃ‥‥?」