LOVE*PANIC




新曲が出る度にCDだって買ってくれるし、テレビに出演すれば必ず観てくれる。


両親がいるから、今の自分がいる。


自分の道を自由に歩む自由が。


だが、それだけでは満足出来ないのも事実だった。


自由の道を自由に進むだけでは物足りない。


理想の、思い描く自分になりたい。


歌手を夢見ていた頃は、歌手になれたら、きっと毎日が楽しいのだと思っていた。


だが、売れていない今、そうは思えない。


行き止まりの道を行ったり来たりしている毎日。


戻ることも、進むことも、ましてや抜け道を探すことも出来ない。


同じ道をうろうろとさ迷うだけ。


一歌は、見通しのきかない自分の道に泣きたくなった。


いつまで、こんな毎日が続くのだろう、と。





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