偶然の出会いが運命を変える日。
「今度、ライブに行きたいんだけど・・・」


「うん。・・・あっ、あんたの親厳しいもんねー。もしかして、アリバイ工作してほしいん?」


「そうなんだ・・・いい?お願いしても。」


「いいよっ!!!」

すぐに返事が返ってきた。さ、さすが栞・・・


「その代わり、しっかりライブ楽しんできなよー?」


「ありがとーっ!! ほんと感謝ですっ!!」


「んー♪ じゃーねえっ!」


栞って、本当にいいコだ・・・


感動しながらも、私はまだ不安だった。


もし、この事が親にバレたら・・・


怒られる、なんてもんじゃ済まされない。


私は今、人生の分岐点にいるって訳。


でも、後悔はしたくないんだ。


深呼吸をして、台所へ向かう。


「お母さん」


「何? そろそろお夕飯よ?」


「今度の土曜日、栞の家に泊まることになった」


「あら・・・そうなの? じゃあ、栞ちゃんのお母様にお礼言っとくわね」


「うん。あと、渡すお菓子買っといて?」


「分かった。騒がないのよ?」


「はーい。」

急いで部屋に戻った。


顔がゆるむ。やった、ライブ行ける!!
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