ハッピーエンド
「・・・」

「さっ、俺達の事務所に行こうか?」

こうして有無も言わせず男達は田中を繁華街にある小さな雑居ビルに連れ込んだ。

階上へ向う薄暗い階段で田中はもはや生きた心地がしなかった。

一歩一歩が死刑台への階段に思えてくる。

事務所に通された田中はそこで10人以上の男に取り囲まれた。

もう何も言えない。目に涙を浮かべて震えるだけの情けない男がそこにいた。

「抵当権をめぐって争う事になってもよ、俺達はおたくの銀行と喧嘩するとは思わない。あくまで兄さん、あんた個人と喧嘩する」



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